船のタコ釣り(船タコ)に必要なタックルや仕掛けなどについてまとめています。これから船タコ釣りを始める初心者や入門者向けになっていると思いますので、参考になれば幸いです。※この記事はタコエギを使った船タコ釣りについて書いています。
船のタコ釣りとは?
兵庫県「明石の蛸」と言えば高級食材。そんな美味しいタコを船から狙うのが「船タコ釣り」です。ちなみに、タコ釣りには船からと陸っぱりからの2種類があります。どちらも蛸がタコエギなどに掛かると「ヌ〜ン」という重みがかかる感じは同じで、これが何とも言えない楽しさです。
- 船のタコ釣り:タコエギやタコテンヤをバーチカル、もしくはちょいキャストして船の周囲を探りながら釣ります。
- 陸のタコ釣り:堤防などの岸壁沿いをタコジグを垂らして探りながら釣る方法や、タコエギをキャストして少し広範囲を探りながら釣る方法があります。
タコ釣りのシーズン
タコ釣りのシーズンは大体5月頃から秋頃の10月末頃まで。シーズン初期は数は期待できませんが良型タコがあがり、夏場になると新子(タコの子供)の数釣りができるようになります(100g以下はリリースが必要)。そして、またシーズン終盤になると再度サイズが大きくなってくるという流れです。ちなみにタコ釣りのベストシーズンは、その年にもよりますが、6月・7月・8月頃。
船のタコ釣りのタックル
船タコ釣りの基本タックルを紹介します。
- ロッド(竿):1.5m〜2m程度の竿。9:2もしくは9:1ぐらいの調子で穂先が柔らかくて胴がしっかりしている船竿。タコ専用ロッドが良いですが、タチウオ用ロッドなどでも代用可能です。
- リール:小型〜中型ベイトリール。ドラグ力(6kgぐらい)があり巻き上げ力がしっかりしたものがおすすめ。
- ライン:PE2号〜3号程度を使用 ※船宿指定の場合もありますので、要確認。
- ショックリーダー:フロロカーボン製リーダー(10号前後)を1m程度。もしくは既製品のタコ用リーダーをPEに直結でもOKです。
- スナップ:タコエギ用のトリプルスナップ(タコエギ2個とオモリが付けられます)
- ルアー:タコエギを大体2個付け。多い人は3個ですが船宿によってはNGの場合も。※明石は2個まで
- 重り:50号(船宿指定による)
この他にもリーダーとタコエギの間に集魚アイテム(タコベイトなど)を付けています。そんなに沢山付けるの!って人もいますし、ほとんど何も付けない人もいます。沢山つけるとアピール力はあがりますが、潮の影響を受けやすいので周りとお祭りしやすくなります。程々が良いと思います。
船タコ用のロッド(竿)
明石のタコを代表に国産高級タコが釣れるという事もあって非常に人気の釣りになった船タコ釣り。各メーカーから船タコ釣り専用ロッドも発売されています。特徴としては、1.7m前後と短く穂先は先調子で柔らかいです、ただし、竿のベリーやバットはかなりしっかりとしていてパワフルになっています。船タコ専用ロッドを使えば言うこと無しですね。
代用できるロッドは?
太刀魚テンヤ用ロッドは船のタコ釣りに代用可能です。実際使った事もあります。船タコロッドと太刀魚テンヤロッドは性能も似ていて、実際触ってみた感じもよく似ています。太刀魚テンヤロッドに設定されている錘負荷も同じぐらいなので問題なく使えます。注意点としては根掛かり時など太刀魚テンヤではあり得ないシチュエーションで負荷を掛けるのは止めておく方が無難でしょう。
リール
船タコ釣りでは基本的に小型ベイトリールや中型ベイトリールを使います。あまり使っている人は見かけませんが、4000番以上の大きめのスピニングリールも大丈夫ですが船宿によってはスピニング禁止のところもあります。PE2号〜4号を100m~150mほど巻いておけばOKです。大きなタコは水の抵抗を受けてかなり重たいの巻き上げ力の強いパワーギアやノーマルギアタイプのものが良いです。ドラグ力は6kg前後は欲しいですね。ちなみに私はジギングで使っているオシアコンクエストを代用しています。
↓のテイルウォークのタコ専用リール「オクトパスライト」を使っている人も多いです。ドラグ力も6.5kgと高く、最初からPE2号が巻いてあるので、そのまま使えるのも良いです。ベイトリールはハンドルの左右があるので購入時には注意しましょう。
電動リール
船タコ釣りでは基本的に手巻きベイトリールを使っていますが、電動リールが有利な場合もあります。シーズンにもよりますがポイントが40m〜50mぐらいの深場の場合は電動リールが楽です。
理由は2つあって、1つはタコがかかると水の抵抗もあってかなり重たいです。もう1つは50号のオモリは190gぐらいあるので仕掛けの回収だけでも手巻きだと体力を使います。
ということで、体力に自信が無い人や電動リールを持っている人は活用するのも良いと思います。電動リールにもPEライン2号〜3号でOK。
船のタコ釣りの仕掛け
船タコの仕掛けは大きく分けて2種類。イカ釣り用のエギのカンナ部分が大型掛け針になった「タコエギ」を使ったルアー仕掛け。そして、もう1つは昔からあるアジや豚の背脂・鶏皮などを巻き付けたタコテンヤ仕掛け。
↓明石エリアはエサ巻きが禁止になったりルールが変更になってます。ご注意下さい
タコエギ
タコエギは通常のエギに3本の大きな掛針が付いた蛸釣り専用のエギです。サイズは3.5号〜4号ぐらいと割と大きいサイズを使用します。ちなみにタコエギ自体はオカッパリから投げるものと同じものも多いです(船タコ専用のものもあります)
タコエギや蛸用ルアーは色々な種類が発売されており形状やカラー、素材など様々な特徴があります。オーソドックスなのは蛸墨族やタコマスターなどのいわゆるタコエギで、ダイワのマダクやワンナックのデビルクラッカーなどワーム素材が使われているアイテムなどがあります。その時々で良く釣れるルアーが違ったりするのが面白いです。
針が360度のやつは明石では禁止です。デビルクラッカーの明石バージョンも発売されています
50号前後の下重りを付けてタコエギを海底に這わしながらタコを誘います。ルアーなので手返し良いのが特徴。ちなみに、最近はタコエギを2つ〜3つぶら下げるのが流行っています。
またエギに魚の切り身、豚の背脂や鶏皮などを巻きつけるハイブリッドタイプのタコエギも発売されており場合によっては通常のタコエギよりも釣果が良い時もあります。
蛸墨族:墨族のタコエギ
イカエギでも定評のある墨族がリリースしているタコ専用エギが蛸墨族。恐らく一番人気があり種類豊富だと思います。1個680円前後ぐらい。製品もしっかりしていて人気があるのも頷けます。他メーカーや釣具販売店とのコラボレーションカラー↑なども沢山発売されています。ラトルを内蔵、お尻にフラッシングブレードが装着されています。
オクトパスタップ
マルシン漁具のオクトパスタップ。何と言っても1個250〜300円前後と値段が安いのが非常に魅力的。少し値段があがりますが、フラッシングブレード付きも売ってたと思います。掛け針の付け根部分が少し弱いなんて口コミもありますが、値段を考えると十分でしょう。船でもおパッカリからでもタコ釣りに付き物の根掛かりを恐れずに済みますね。全4色を思わず大人買いです。でも4つで1,000円ちょっとぐらいでした。見た感じも良いですよ〜!
タコエギのカラーは何が良い?
エギングほど種類はありませんが、タコエギにも沢山のカラーがあります。日によって違いうのでこれが良い!と言えないですが、押さえておくカラーとしてはグロー系のホワイトやチャート系イエロー。他にもピンクやグリーン、ブルーなどカラーによってタコの反応も異なります。その日のアタリカラーが無いと苦労するかもなので、数種類用意して楽しみましょう。
タコテンヤ
昔ながらの船タコ釣りの方法で、竹で出来たボディに50号前後の重り・大型の掛け針が付いており、アジや背脂などをくくり付けてボトムを這わす釣りです。アジを乗せた蛸テンヤは表面積も大きく、潮流に流されやすいというデメリットもありますが、生餌を使っているので乗りが良い場合や大型が釣れやすいという特徴があります。
ライン
タコ釣りは、基本ボトムを探る釣りなので根掛かりする場合もあります。根に張り付いたタコを引き剥がしたり、根掛かりする度にラインブレイクで仕掛けをロストする訳にもいきませんので引張強度の強いPEラインを使用します。号数としてはPEの2号~4号ぐらいで、2号や3号を使っている人が多いです。糸巻量はそこまで深いところでやらないので100~150m程巻いておけば大丈夫です。
リーダー
PEの先に付けるショックリーダーはフロロカーボン(10号前後)を1m程度を結束しておきましょう。既製品の集魚アイテム付きリーダーを購入しPEに直結して使ってもOKです。
タコエギ用スナップ
最近の船タコ釣りではタコエギを2個とオモリを使うって場合が多いので、このツインスイベルを使います。(蛸エギが3つ付けられるやつもあります)割と強力なスイベルですが、それでも釣行中に壊れてしまう場合があるので、たまにスイベルもチェックしてやってください。じゃないと、知らん間に蛸エギが外れてたりします(涙)
オモリ
タコエギを海底に沈めるために、50号前後の下オモリを付けます。夜光やオレンジ色、フラッシングするようなカラーなど船タコ専用のモノも色々あります。一番安いのは↓の普通の六角オモリです。これでもちゃんと釣れます。
釣り方やコツ
タコの釣り方やコツですが、まずはしっかりした底取り。タコ釣りは50号のオモリを使うので底取りは分かりやすい方の釣りだと思いますが、底をしっかりと取れないと当然タコは釣れません。また、船は常に流れていきますので、底を取りつつもラインを出しすぎない事も大切です。ぼけっとしていると知らぬ間にラインが出過ぎて根がかりしたり、お祭りしたりします。
底がしっかり取れた状態で、蛸エギをトントンとシェイクします。この際、蛸エギとオモリが底から浮いてしまわないように、なるべき底に着いた状態でトントンして蛸を誘います。海底には起伏や障害物があるので、タコエギやオモリが引っかかったりするので、場合によっては仕掛けを少し浮かせて根がかりを回避したりしながら、誘い続けます。
最初はタコのアタリなのか、障害物に引っかかっただけなのか分かりにくいかもしれませんが、ヌメっ(ヌんっ)としたような独特の重みを感じ、アタリかな?と思ってもすぐに合わせずに、誘いを続けながら一呼吸置いてから、海底のタコをひっかけるイメージで竿で思いっきり合わせる!と乗りやすく、フッキングも深く決まりやすいです。合わせが緩いと巻き上げの途中で逃げたりするので、空振りを恐れずしっかりと合わせましょう(アタリだなと思って合わせても結構空振りもします)
大きなタコの場合は、根掛かり!?と思うぐらい、しっかりと海底に張り付いている場合もあります。この場合は少しテンションを緩めてタコが動き出すのを待ってやると剥がしやすくなります。
タコエギの針には返しが付いてないのと、タコは針が抜けやすいので、魚を釣った時みたいな「追い合わせ」はNG。ラインテンションが一瞬抜けるのでタコがバレる原因になります。それとタコを巻き上げてくる時にポンピングすると同様にラインテンション抜けてバレやすいので一定の巻き速度でゆっくり巻いて釣り上げましょう。
タコの誘い方
海底からタコエギが離れないように、ちょんちょんと竿をシェイクしながら誘います。細かく早くシェイクして誘う人もいれば、ゆっくりと小さく誘う人もいます。船から少しキャストして広範囲を探すも良し。実際に同じようなカラーで同じように誘っていても、釣り座などによって釣果が大きく異なる場合もあります。また、タコは縄張り意識が強い生物で自分の縄張りに入ってきたタコエギを攻撃しにきます。ずっと誘いっぱなしではなく、たまにステイさせる事も非常に有効。
その日良く釣っている人が使っているタコエギのカラーにあわせてみたり、動かし方を見てみるっていうのがタコ釣りのコツの1つです
船のタコ釣りに持っていくと便利なモノ
タコ用ネットやスカリ
タコ用スカリが便利です。後述しているタコネットはお手頃ですが毎回チャックの開け締めが必要なので面倒で手返しが悪くなります。タコ用スカリであれば、口を開けた状態でもほぼ大丈夫です(たまにデカイやつは登ってきますが・・・)船の屋根あたりに紐でくくってぶら下げたりして使っています。
タコ用のネットとか洗濯ネットとかがあると便利。足元にある船に備え付けの生簀に海水をためて、其の中にタコを入れたネットを入れておきます。このタイプは陸っぱりでも使えます。安いのが良いですが、チャックをちゃんと閉めないと逃げるので毎回開け締めが若干面倒です。
他にもバスケット型ランドリーネットみたいなのを使う人も多いです(船に用意している場合も)。百円ショップにも売ってるので、安いし手軽なので良いですよ。でかいタコは登ってくるので注意が必要。
タコ用クーラーボックス
船のタコ釣りに使うクーラーボックスは20L〜30Lぐらいあると良いと思います。大きなサイズのタコは2kg〜というのもいますし、良い日にあたれば数十杯のタコが釣れる場合もあります。私も50杯以上が釣れて30Lのクーラーボックスが満タンになった事があります。ということで、あまり小さすぎるクーラーボックスだと入り切らないかもしれません。(期待して釣れなくてもあしからずw)
タコの締め方
タコの目と目の間(眉間)にナイフなどで切り込みを入れると、体色が白っぽくなり一瞬で締まります。納竿間際まで生簀で生かしておいて、帰港前にタコを締めるという感じですね。写真は中乗りさんが、締めてくれている様子です。
船のタコ釣りまとめ
ということで、美味しいタコが狙える「船のタコ釣り」。タコエギというシンプルな仕掛けながら、カラーを買えてみたり、ワーム素材を使ってみたりと想像以上にゲーム性も高いのが面白いです。そして、やってみると中々思うように釣れたり釣れなかったり、案外バレてしまったりしますが、1kgを超えるような良型タコが釣れると非常に嬉しいですよ!沢山釣って家族や友人にあげると非常に喜ばれるのも良いです。ぜひ船のタコ釣りにトライしてみたください!
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