人気の釣り「タイラバ」に必要なタックルや仕掛け、基本的な釣り方などを紹介しています。これからタイラバをやってみたいっていう初心者や入門者の方に向けた記事になっています。参考になれば幸いです!
タイラバってどんな釣り?
鯛ラバは「タイラバ」というルアーを使って鯛を狙う釣り方。ルアーの名前「タイラバ」がそのまま釣り方の名前になっています。基本的な釣り方は船上からタイラバを海底まで落として、一定速度で巻き上げてくるだけ。誰でも簡単にできる釣り方としてタイラバは人気です。メインターゲットはもちろん「鯛」ですが、それ以外にもタイラバで釣れる魚は沢山いて、例えば、ハマチなどの青物、カサゴやハタなどの根魚、甘鯛やホウボウなど色々な魚が釣れる万能な釣り方でもあります。
タイラバのシーズンについて
タイは1年中狙える魚ですが、シーズンによって釣りやすかったり、サイズが良かったりと異なってきます。おすすめのシーズンは春のノッコミか秋の荒食い時期が狙い目。ちなみに鯛のベイトは様々で、アミエビやクラゲ、海藻のノリ、イワシやキビナゴなどの小魚、良型鯛であればイカなど。餌の移動や発生と共に釣れる場所やタイミングが変わり、ルアーやタイラバの種類や形状にも影響してきます。
- 春(4月〜6月頃):ノッコミと呼ばれる産卵シーズは大型が狙えるタイミング。その年にもよりますが、4月〜6月ぐらいがベストシーズンとなります。
- 秋(9月〜11月頃):鯛が産卵から回復し水温が下がる前に荒食いをする秋頃(9月〜11月頃)は、鯛の活性が高くなるので数釣りを楽しめるシーズンです。
タイラバタックルについて
タイラバではベイトタックルとスピニングタックルの2種類が使われます。一般的なのはベイトタックルの方で仕掛けを落として巻き上げるという動作がスムーズなので好んで使われます。スピニングタックルは仕掛けをキャストして斜め引きに広範囲を探れるというメリットがあります。
初めてのタイラバならベイトタックルを用意しましょう!
タイラバロッドの選び方
長さ
タイラバロッドの基本的な長さは7ft(2.1m)前後。グリップエンドが長くなっていて脇に挟み込んで安定してリールを巻けるような作りになっているのも特徴です。スピニング用タイラバロッドはタイラバをキャストしやすいようにベリーからバットにかけてベイトに比べて張りがあるロッドが多いです。
調子
タイラバロッドの調子は、繊細なティップとベリーまでが非常に柔らかい胴調子ぎみのロッド。数字でいうと「6:4」ぐらいになっていて、いわゆる「乗せ調子」タイプのロッドが多いです。この柔らかく繊細なロッドには理由があって、タイラバでは鯛から前アタリがあっても合わせを入れずにそのまま巻き続けて喰わせるという釣り方で、なるべく魚に違和感を与えずにタイラバを巻いてこれるのがポイント。また、鯛がヒットした後の竿を叩くような特有のアタリでバレないようになっています。
掛け調子のタイラバロッドもありますが、最初は乗せ調子のベイトロッドが良いと思います。
ロッドパワー(硬さ)
タイラバロッドにはパワー設定があり「ルアーのMAXウェイト」が決められています。釣行先の水深にあったタイラバロッドが必要で、一般的な水深のタイラバ(深くても60〜70mぐらい)であれば60〜100g前後のヘッドが使いやすいロッドパワー(MLやM)で良いです。水深100m以上など深場でやるディープタイラバの場合は200gや300gといった重たいタイラバを使う場合もあります。
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タイラバリールの選び方
タイラバではベイトタックルとスピニングタックルを使います。それぞれに最適なリールを紹介します。
ベイトリール
タイラバでは小型ベイイトリールを使います。毎回海底まで仕掛けを落とすのでカウンターが無くても問題ありませんが、カウンター付きだとアタリのあった棚やフォールスピード、巻き上げスピードが数字として把握できるようになります。カウンター付きの方が若干値段は高いです。
ギア比
タイラバリールのギア比ですが重たいタイラバをゆっくりと巻き上げるのでパワーギアやノーマルギアが個人的にはおすすめです。
数えた事はないですが、1日中タイラバをやると「ボトムを取って10~20mぐらい巻き上げる」ってのをおそらく数百回はやってると思います。
サイズ
タイラバでは0.8号前後のPEラインを使います。なのでPEライン0.8号前後が200m巻けるものが良いです。
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スピニングリール
タイラバで使うスピニングリールはPEライン0.8号前後が200~300m巻けるスピニングリールが良いです。サイズは3000番ぐらい。スピニングはパワーギアモデルは少ないのでノーマルかハイギアで良いと思います。
タイラバの仕掛けについて
メインラインはPE0.8号前後。ショックリーダーはフロロカーボン3号〜4号を2mほど結束して使います。タイラバは水深に合わせた重さを使用します。重さの目安としては水深の2倍前後を使うイメージでOKです。
水深30mのポイントなら60g前後のタイラバヘッドを使う感じになります。潮流にもよるのでタイラバ船の予約時に用意するタイラバの重さを確認すると確実。
タイラバは「ヘッド・スカート・ネクタイ・フック」の4つが組み合わさった仕掛けですが、パッケージから出せば使えるようにセットになった既製品タイラバも沢山発売されています。慣れてくるといろんな組み合わせを自分で試せるのが楽しいところ。また、この組み合わせやカラーチョイスによっても釣果が変わってきます。
初めての場合は全てがセットになった既製品のタイラバセットを買うと良いと思います。船長に確認した重さや釣れているカラーを中心に何種類か用意すると良いです。
タイラバのカラー選び
タイラバはカラーとシルエットが非常に重要です。実績の高い定番カラーはオレンジやゴールド系。またピンクやレッドなども良く使うカラーです。このほかにも、グリーンやブラック、透明、チャートや、ラメ入り、ゼブラなどネクタイ・スカート・ヘッドのカラーはかなり豊富。ヘッドはオレンジで、スカートは透明にするなど組み合わせて使う事も多いです。その時々に鯛が捕食しているエサなどを意識したカラーを選びます。(例)明石で海苔を食べてる時はグリーンとか黒っぽいネクタイ。一概にどれが良いとは言えないですが、基本であるオレンジ系やゴールド系のタイラバは、数種類の重さ違いを用意しておくと良いと思います。
オレンジ系で細めのカーリー系ネクタイが個人的な鉄板。タイラバのパイロットルアーです。
タイラバヘッド
タイラバヘッドは素材や形状、カラーなど色々な種類があります。
形状による違い
タイラバヘッドには色々な形状があります。
- 楕円系:球状に近い形で最も良く使われているタイラバヘッドの形状。フォールスピードやアクションなど平均的な感じ。
- トサカのような形:水流をコントロールする形状でフォールスピードアップを重視した形です。いち早くボトムを取りたい時に有効。
- テントウムシ型:底が平たくなっており水流を受ける事でフォール時・巻き上げ時ともに左右に揺れやすい。フォールが遅い。
- 薄型:ヘッドの幅が薄いので水流を受けて左右に振れる感じ。ブルブルと動くので引き抵抗が強くアピール力も強め
まずは種類も豊富でフォールや動きのバランスも良い楕円形のタイラバヘッドを購入すれば良いと思います
素材について
タイラバヘッドは鉛かタングステンの2種類の素材で出来ています。鉛製ヘッドは値段も手頃で一番良く使われているモノです。タングステンは鉛に比べて比重が1.7倍と大きく同じウェイトでも小さくできるのでシルエットも小さくなります。タングステン自体が非常に硬い素材なので感度も良く、フォールスピードも速いのが特徴。その反面、希少なので価格が非常に高いです。
シルエットが小さい方が良く釣れる場合もあるので、高価ですがタングステン製のタイラバヘッドも良いです。
ネクタイ
タイラバではネクタイのような形をしたシリコンラバーで出来た仕掛けをタイラバヘッドに付けて使います。形状にはストレートやカール、細めに加工されたモノなど色んなネクタイがあります。
形状による違いは、太くてカールしている方が水中で波動を出しアピール力が高くなり、細くなるにつれ波動が弱くなります。ポイントやその時々に鯛の捕食している餌などによってどの形状やカラーが良いか反応が変わります。
ネクタイの形状とカラー選びはタイラバで非常に重要な要素。アタリカラーと形状を探す釣りと言っても良いと思います。
スカート
スカートもシリコンラバーで出来たもので、細い糸状のものが束ねられており、フック部分を覆うスカートのように見える事からこの名前が付いています。めっちゃ色んなカラーがあります。
フック
タイラバでは2〜3つのフックがアシストフック状になったものを使用します。ネクタイやスカートの中に隠れるようにセッティングします。喰いが渋い時期は小さな針を使う方が良いです。
鯛が釣れた後はフックのチェックをしましょう。なまっていたり、折れやすくなっている場合が多いです。交換用にフックセットが売っているので交換すると良いです。
ワームを付けてもOK
タイラバのフックに付けるワームをトレーラーワームと呼びます。付けた方が良い場合も悪い場合もあるので、オプション要素として用意しています。タイラバ専用ワームも発売されていますが、アジング用ワームなどでも代用可能です。
ライン
タイラバで使うメインラインはPE0.6〜1号です。基本となる0.8号を選んでおけば良いです。細いPEの特徴は、感度が潮切れも良く沈みやすい事。太いPEの場合は浮力が強くなるので、沈むのをより遅くしたい場合や、大型狙いの場合に良いですね。同じ重さのタイラバを使ってもラインの太さや浮力によって動きが異なってきます。特に潮が速い場所では違いが大きくでます。
タイラバ専用の高比重タイプのPEラインが発売されています。通常のPEは浮力がありますが、水に沈むので、より速く落としたり潮の影響を受けにくいPEラインです。
ショックリーダーの号数と長さ
フロロカーボンの3号(12lb)〜4号(16lb)前後を使用します。2mぐらいをFGノットで結束して使っています。
タイラバの結び方について
タイラバとショックリーダーの結び方ですが、リーダーを切らずに交換できる「8の字結び」がおすすめです。↓ダイワの紹介動画が分かりやすいです。スイベルをタイラバと置き換えるだけです。
釣り方
タイラバの釣り方は下記のような感じです。
- 船上からタイラバを落とし着底させます。
- 着底したらすぐに一定のスピードで巻き上げてくる。
- 底から10m〜15m前後まで巻き上げたら、再度タイラバを海底まで落とす。
- ②③を繰り返す。
着底したらすぐに巻き上げないと魚に見切られたり根がかりします。着底に集中しましょう。
このような感じで、タイラバの釣り方自体は非常にシンプルです。船は潮流や風に合わせて流していくので、真下にタイラバを落としていっても基本的には常にポイント移動している状態となるので広範囲の鯛を探っていく形となります。仕掛けを落として巻くだけと簡単なのですが、巻くスピードを変えてみたり、使用するヘッドの重さを変えてラインの角度を変えてみたり、ネクタイやスカート、トレーラーのカラーやボリュームを変えるなど、その日のアタリを探す釣りです。
誰でもできる釣果アップのテクニックとしては、その日に良く釣っている人の真似をしましょう。それがアタリカラーやアタリ仕掛けなので、その人に聞いたり手元を見て巻きスピードを合わせてみたりすると良いです。
タイラバの合わせについて
タイラバでは基本的には向こう合わせで、「ココココココッ」というような前アタリがあっても慌ててロッドを上げて合わせないのが重要。このタイミングで早合わせすると大体バレる気がします。アタリがあっても焦らず同じスピードで巻いてくると、竿を引き込むような本アタリが出てロッドに重みがのります。その後に慌てずに竿を上げてやるぐらいの感じでゆっくりと合わせるとしっかり針掛かりしてバレにくいと思います。
アタリがあるのにフッキングしない場合は針も疑ってみて下さい。
リールのドラグ設定
リールのドラグ設定ですが、割りと緩めに設定しています。言葉で表現が難しいですが、軽く手でラインを引っ張ると出てくるぐらいで良いと思います。というのも、タイラバは前アタリが出た時に鯛が違和感を感じないようにするのが重要なので、ドラグが強すぎる設定だとタイの前アタリを弾いてしまう場合があります。さじ加減が難しいところですが意図としては、そういう意味でドラグを設定してもらったら良いです。ただし、良型の鯛が掛かったりすると全然上がってこないとかになるので、やりとりの途中で少しドラグを締めた方が良い場合もあります。
釣り方の参考動画
タイラバをはじめるにあたって、一通りが説明されている動画です。分かりやすいですよ!
タイラバ釣行に持っていく道具
タックル以外にタイラバに持っていった方が良いもの。
- プライヤー
- ナイフ(血抜き用)
- ハサミ(ネクタイを現場で細くしたりする場合があります)
- 手拭きタオル
- 長靴や濡れても大丈夫な靴(船上で水を流す事があります)
- ライフジャケット(必須ですね)
- クーラーボックス(25L〜30L)※60cmを超えるような大型真鯛だと入らないかもですが。
- 酔い止め(アネロンが個人的には良く効きます)
- 食べ物や飲み物。空腹になりすぎても気持ち悪くなりやすいですよ。
タイラバは鯛のアタリが病みつきになる!
タイラバは鯛の前アタリから本アタリが出るまでのドキドキ感がたまらない釣り。喰ってくれ!と祈るような気持ちを持ちながら、焦らずに一定速度で巻いてこれるかが肝です。それと釣り方はシンプルですが、微妙な仕掛けの違いや巻きスピードなどで魚からの反応が変わってくるのが面白いところ。一度タイラバをやればたくさんの人がハマる理由が分かると思います!
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