シーバス釣りについて、タックルや釣り方、シーズナルパターンなど初心者向けに紹介しています。ご参考まで!
シーバス(鱸)ってどんな魚?
大型になると1mを超えるサイズも存在するシーバス。80cmを超えるシーバスをランカーシーバスと呼んだりします。
ヒットすると水面をジャンプしてルアーを外そうとするエラ洗いをしたりと、瞬発力があり魚とのやり取りを非常に楽しめるため、シーバスはゲームフィッシュとして非常に人気があります。顔(口)のかなり大きな魚で、ベイトを吸い込むように丸呑みして捕食します。
警戒心の強いシーバスは昼間や明るい時間帯は、物陰など障害物や深場の日の当たりにくいような場所に隠れており、目の前を通るベイトを捕食します。日が落ち暗くなりはじめると警戒心も薄くなりエサを求めて動き出します。夜になっても、ライトが直接当たるような場所ではなく、影になっているような暗い場所に身を潜めベイトを狙う事も多いです。
シーバス釣りのシーズンとパターン
シーバスは水温やベイトによって居着く場所や回遊してくる場所が変わってきます。また、釣りやすい時期や大型が狙いやすい時期などがあります。産卵時期は冬場(12月〜2月頃)で、この時期は沖の深場に移動するので、陸っぱりから狙うのは厳しくなりますが、ボートシーバスやジギングなどで狙う事もできるので、基本的には1年を通して楽しめるのがシーバス釣りです。
ポイント
初めてシーバスを狙うなら、3月〜6月の春〜初夏や9月〜11月頃の秋頃が釣りやすい時期になります。
シーバス釣りと水温の関係
シーバスは水温が下がると水温が安定している深場などに移動し、水温がある程度あがると接岸や回遊をはじめ活発に捕食行動をはじめます。
水温が上がりはじめる春頃〜初夏、そして秋頃が最も活発に捕食する時期になります。
ちなみに水温は高ければ良いというものでは無く、夏場など場所(湾奥など)によっては水温がもの凄くあがるため、上がりすぎると冷たいエリアを求めて深場や流れのある場所に移動します。
シーバスの適水温は15度〜20度ぐらいと言われています(適水温については厳密では無いのであしからず)
春
深場で産卵を終えた後の2月・3月はまだ水温が低く多くの魚と同じようにシーバスも釣りにくい時期です。水温があがるにつれ、湾内や河口などに戻ってくるタイミングとなります。春はバチ抜けパターンが有名ですが、その他にも稚鮎やイワシなどのベイトが接岸してくるので、活性も高くシーバスを狙うには良い時期です。
バチ抜けパターンとは?
ゴカイやイソメなどの総称を「バチ」と呼びます。全長10cmぐらいのものから、数センチの小さいものまで色んな種類がいます。バチ抜けとは、海底に潜んでいるバチが産卵のため、夜間に一斉に海中に泳ぎだす事で、地域や水温にもよりますが1月頃〜6月頃の大潮や中潮に発生する事が多いです。バチは冬場の産卵で体力を失ったシーバスが積極的に捕食するエサとなっていて、そのエサの形や動きをイミテートした釣り方が所謂「バチ抜けパターン」と呼ばれるシーバスの釣り方となります。
夏
初夏は春と同じくベイトも豊富。シーバスの活性も高いので釣りやすいタイミングです。
ただし、気温が本格的にあがってくる本格的な夏場は、水温も上昇するのでシーバスもベイトも適水温を求めて移動します。特に赤潮などが発生する湾内などは、海中酸素濃度が低くなるため、そのエリアではベイトも含めて流れのあるポイントなどに移動する傾向があります。
秋
秋はシーバスが産卵を控えた時期で、メバルなどと同じように産卵前の荒食いするタイミングのため、比較的釣りやすい時期と言えます。河口などの汽水域ではイナッコなど小魚が豊富になり、シーバスの活性も非常に高いので春と同じく誰でも釣りやすい時期だと思います。
冬
12月頃になると河口にいるベイトであるサヨリやコノシロなどの魚も大きくなり、その大きなベイトを狙った大型のシーバスを狙えるタイミングです。ただし、水温がしっかり下がってくると、産卵のために多くのシーバスが水温が安定する沖の深場に移動します。この時期になると、ジギング船などではシーバスを狙ったり、ゲストでシーバスが釣れたりします。12月・1月頃に産卵を終えたシーバスが2月・3月頃になると浅場に戻ってきて、春先になるとアミやバチなどを捕食するようになります。
シーバス釣りで狙うべきポイントは?
基本的にはベイトが多い場所が釣れる場所です。
前述したシーズンによって、アジやイワシ、稚鮎やサヨリ、バチやアミ、サッパ、イナッコやコノシロ、ハゼなど捕食するエサがいる場所で釣る事が最も釣れるコツかもしれません。もちろん、時期や状況によってコロコロと変わるので簡単では無いんですけどね。
多くは下記のような場所がシーバスポイントとして有望です。
ポイント
ポイントによっては、危険な場所もありますので初めてのシーバス釣りの場合は足場の良い護岸エリアが良いですね。他にもボートシーバス釣りであれば、船長が釣れるポイントや釣り方を教えてくれるので、勉強にもなるし釣れて楽しいですよ。
護岸の常夜灯エリア
護岸の常夜灯エリア。ベイトとなる小魚やアミ類が集まっていればシーバスがいる可能性も高いです。足場も良く初心者でも釣りやすいので、キャストの練習がてらやってみるのも良いでしょう。明暗の暗い部分にシーバスは潜んでいる事が多いので、護岸の際や明暗の外側を狙うと良いです。
河川や河口の汽水域
流れのある河川や河口の汽水域は、海底も変化に富んでいてシーバスにとっては絶好の捕食エリア。ただし、広い場合があるので狙うべきポイントが分かりにくい場所でもあります。写真のようなテトラ帯であれば、テトラの影に隠れている事も多いので正面にキャストするのではなく、テトラ際を通してくるような感じにキャストすると良いですね。足場が悪いところもあるので、滑らない靴を履くなど安全に気を配る必要があります。写真は夕マズメ前ですが、シーバスが釣りやすい夜間になるとより危ないので注意しましょう。
常夜灯や停泊している船の周り
ベイトとなる小魚やアミ類が集まる常夜灯周りや、明暗が付きやすい停泊中の船の周り(際)などは、シーバスの付き場も分かりやすく初心者でも狙いやすい好ポイント。水面でガボガボと捕食音が良く聞こえるような時は、比較的簡単にシーバスが釣れます。
橋桁の下など隠れる場所があるところ
明りと隠れる場所が複合的に絡んでいる場所は、かなり高確率でシーバスが潜んでいます。↑写真の場所なんかは最高ですね。
排水溝など人工の流れ込み
工場からの温かい排水が出たりする場所などは、水温が低い時期にシーバスが集まっている場合も。
濁りが入ると警戒心が薄くなる
同じポイントでも水が澄んでいる場合よりも、天候の影響で濁ったりすると警戒心が薄くなり釣りやすい場合があります。濁りすぎたり台風などでポイントの状況がガラッと変わるような場合は良くない事が多いですが、適度な濁りはシーバス釣りに適した状態です。
シーバス釣りの基本タックル
ロッドは9ft前後のシーバス専用ロッド
シーバス専用ロッドは、かなりの種類が発売されています。陸っぱりのシーバス釣りをやる場合、まず最初に選ぶのであれば9ft前後のMかMLパワーあたりが良いと思います。シーバス以外にもワインドに使ったり、ライトショアジギングに使ったりと汎用性が高いので色んな釣りが楽しめますよ。
写真はダイワの入門用シーバスロッド「ルアーニスト」。実売7,000円前後と手頃ですが、軽くて感度も良く初めての1本におすすめです。もうちょっと良いのが欲しい!って方はシマノの18ディアルーナ90MLや96Mなんかも高性能で非常に良いですよ!
ボートシーバス用ロッドは短め。
ボートシーバスロッドは、陸っぱりほど遠投する必要が無い事と、船上で取り回しが良い方が使いやすいということもあり、大体6ft〜7ftぐらいの長さのロッドを使います。
リールは2500番〜4000番
シーバス釣りで使うリールは2500〜3000番程度のスピニングリールが良いです。PE0.8号〜1号を150m程巻いて使用しています。頻繁にキャストするのでハイギアモデルを選んでおくと良いですよ。ベイトタックルをありますが、初めてならスピニングリールが扱いやすいと思います。
シーバス用のライン
写真は0.6号ですが、メインラインにはPE0.8号〜1.2号ぐらいを使う事が多いです。80cmを超えるようなランカーシーバスを狙うなら1.2号ぐらいあると安心ですが、それ以外の場合は細いほど感度が良く飛距離もあがるので、0.8〜1号ぐらいが釣りやすいと感じています。
ショックリーダーと長さ
ショックリーダーにはフロロカーボンやナイロンの4号(16lb)〜5号(20lb)ぐらいを使いましょう。メインPEとショックリーダーの結束には簡易FGノットがおすすめです。ショックリーダーの長さは1m〜1.5mぐらいでOK。
↓これが簡単で私もやってます。おすすめ。
シーバスルアーはミノーやバイブレーションが基本
主に使用するルアーはミノータイプのプラグやバイブレーション、スピンテールジグなど。浮いているシーバスの方が基本的には活性が高いので、大体フローティングタイプのミノーを使用し表層から1mぐらいの範囲を探っていきます。その後反応が無ければ、シンキングタイプのミノーやバイブレーションなど沈むタイプのルアーを使い、シーバスが潜んでいるレンジを探るような順序になります。
ポイント
シーバス用ルアーはかなりの種類が発売されています。下記で個人的に気に入ってるやつを一部紹介。
使用するルアーサイズの目安
小さい物だと4cmぐらいからありますが6cm〜12cmぐらいのサイズが主流です。ルアーのアクションは商品によって違い、ゆらゆらとナチュラルに泳ぐものから、激しく左右にお尻を振るような動きをするものまで様々。また、最近では冬場のコノシロを狙う大型シーバスをビッグベイト(20cm近いフローティングミノー)で狙うような釣りも流行ってます。
ルアーのカラー選びについて
シーバス釣りではルアーのカラーも重要です。状況によるので、どのカラーが一番釣れるというのは難しいところですが、人気のある定番カラーは存在します。
カラーを大別すると下記のような感じが多いですね。
- チャート系(黄色とか黄緑みたいな色)
- チャートバックが代表的なカラーで、シーバスへのアピール力が高くサーチカラーとして使う事が多いです。最もシーバス釣りに使うカラーとも言えます。
- ナチュラル系(イワシやコノシロカラーなど魚っぽいやつ)
- マッチザベイトをイメージしたカラーで、ベイトが沢山入っている時などに反応が良く、フラッシングさせる事ができるのでヒラを打たせてバイトさせたりします。
- ゴールド系(赤金やグリーン・ゴールドなど)
- 濁っている時に有効なカラー。光量があるデイゲームでも使います。
- クリア系(ゴーストカラーと呼ばれる透明やスモークっぽいカラー、半透明、透明+色んなカラー)
- なるべくアピール力を抑えたい場面で使うカラー。スれたシーバスに口を使わせたり、釣り人が多いエリアなど。
- ダーク系(ブラウンや黒のようなカラー)
- 水面からの光量によってシルエットがはっきりみえるので、使用場面によってはアピール力の高いカラーとなります。反対に光が無い状態で使うと、シルエットが小さくなるので場面によって使い分けると効果が高いカラー。
- 複合系(レッドヘッドやチャートヘッドなど色を組み合わせたやつ)
- レッドヘッドも定番中の定番カラー。赤いヘッドによってシルエットが小さく見えるとか、魚のエラに見えるとか色んな話がありますが、実際によく釣れるカラーなので不思議ですよね。
写真のレッドヘッドや、チャート系、クリア系、ナチュラル系などは非常に人気の高いカラーでシーバスアングラーなら必ず持っていると思います。
ポイント
色々なカラーを揃えるのが良いですが、まず買うならチャートバック、レッドヘッド、ナチュラルを1個ずつぐらい用意すると良いと思います。
フローティングミノー
名前の通り基本的には浮かぶプラグですが、リーリングしてくるとルアーに設定されたレンジまで潜るようになっています。50cmぐらいから1mぐらいまで潜るようなモノが多いです。リーリングを止めると浮き上がってくるので、根掛りも少なく「無くすとショック」で消極的になりがちな、初心者にも扱いやすいので良いですよ。前述したように、浮いている魚の方が活性が高いので、釣りやすいとも言えます。
シンキングミノー
名前の通りほっておくと沈んでいくプラグがシンキングミノー。フローティングミノーでは攻められない深場を探る事ができます。キャストして「1,2,3,4・・・」と任意のレンジまでカウントダウンしてから、ゆっくり巻いてくるような使い方をします。
バイブレーション
これも名前の通りバイブレーション=ブルブルと波動を出しながら泳いでくるルアーです。プラスチックで出来たものや、金属で出来たモノ、ワームとのハイブリッドバージョンなどがあり、ほっておくとスピーディーに沈んでいくルアーです。使い方は、シンキングミノーと同じくカウントダウンして任意のレンジまで沈めてからリーリングしてきます。遠投出来るのと、深場を攻めるのに使いやすいルアーになっていて、シンキングミノーなどに比べるとかなり速めに巻いて使います。
↓VJ16良く釣れるんですが、なんか高騰してるみたいですね・・・。
スピンテールジグ
バイブレーションとちょっと似ていますが、お尻がスピンテールになっていて回転フラッシングしながらシーバスにアピールするのがスピンテールジグです。使い方も簡単でカウントダウンでレンジを決めてからただ巻きするだけ。たまにストップして食わせの間を作ってやるのも良いです。飛距離も出るので使いやすいです。
シーバスの釣り方
キャストは精度は結構重要
シーバスが付いている場所は、結構ピンポイントだったりします。1投目が重要でバチッと狙ったところにルアーが入った瞬間に、「ガボッ」とシーバスが出てくる瞬間がたまらないですね。何投も同じところに繰り返しキャストしていると、やっぱりスれてきてしまうので、キャストが上手な事は結果、釣果に繋がると思います。これはどんどん釣りにいって練習あるのみです(笑)
ただ巻きを丁寧に
基本は一定スピードでのリーリングで、出来るだけ同じスピードを維持しながらルアーがブレないように巻いてきます。簡単そうで一定スピードで巻くのも結構難しいですよ。また、速めに巻いたり、ゆっくりとデッドスローに巻いたり、スピードを変える事も重要。ルアーのスピードが変わる事で魚の反応が急に出たりする場合があります。また、ルアーにあたる流れの強弱を手に感じながら巻くことで、水中の変化を感じ取りましょう。魚が潜んでいる場所も、潮が急に重くなっている場所など変化している事が多いです。
トゥイッチも有効
ただ巻きの途中に意図的にロッドをクイッと動かし、ミノーに瞬間的な動きを与えたりする方法です。魚に捕食のタイミングを与えたり、ルアーを横に向かせる事で「キラッ」と光らせアピールさせたりします。
釣行時の持ち物
ライフジャケット
自分は大丈夫と思わず、必ずライフジャケットを装着して釣行しましょう。ルアーケースも入るし、プライヤーも入れられるので非常に便利。
ヘッドライト
シーバス釣りは基本的には夜間の釣りなので、ヘッドライトは必須です。無いと足元が見えなくて危ないし、ルアー交換が出来なかったりと釣りにならないです。
ランディングネット
小さなセイゴサイズであれば、抜き上げられますがシーバスサイズになると無理なので、ランディングネットが必須です。ランディングネットの長さは、良く行く釣り場に合わせたものを選びましょう。短い物だと2mぐらい、長いものだと6mぐらいのものまであります。個人的には4mぐらいのモノが汎用的に使えると思います。ネットとポールは別売りになっている事が多いです。
フィッシングプライヤー
釣れたシーバスは暴れるので、必ずフィッシングプライヤーを使って針を外しましょう。トレブルフックが手に刺さるなど、思わぬ怪我に繋がるので注意しましょう!
ストリンガー
シーバス釣りでは、すぐにリリースする事が多いですが、持って帰りたい場合なんかはストリーンガーを使うと便利です。
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